2010/2/3 水曜日

WD以外のメーカーもまもなく4KiBセクタへ移行する

All new hard drives will be “4k advanced format” – bit-tech.net
http://www.bit-tech.net/news/hardware/2010/02/02/all-new-hard-drives-will-be-4k-advanced-for/

去年の12月中旬に発売になったWestern Digitalの『WDxxEARS』シリーズ。これまでのHDDでは512Byteセクタを採用していましたが、この『WDxxEARS』シリーズは4KiBセクタを採用していることで話題となりました。

セクタサイズを拡張し、4KiBとすることでエラー訂正や利用効率の向上といった利点がある。(詳細は以前掲載した記事を参照してください)

はいじん☆ちゃんねる >> Advanced Format Architectureの意義
http://haizin.serveblog.net/?p=6098

今のところ、この4KiBセクタを採用しているのはWestern Digitalの『WDxxEARS』シリーズだけですが、bit-tech.netによると、他社もまもなく移行を開始するとか。この情報の出所が不明瞭で、HDDの標準化を行っているIDEMAの発表していた2011年前半よりもちょっと早いのが気になるところですが、もしかしたら早まるのかもしれませんね。

Big Sector – IDEMA
http://www.idema.org/_smartsite/external/bigsector/index.php

ちなみに、WD10EARSが発売になったときに『Advanced Format Architecture』と言う名称が出ていましたが、IDEMAの資料を見たところ、特に4KiBセクタの規格に対する正式な名称は決まってないようで、『Big Sector』『Large Sector』『4KB Sector』とバラバラな表記になっていました。『Advance Format Architecture』はWestern Digitalが独自につけた名称なんでしょうかね?

2009/12/21 月曜日

Advanced Format Architectureの意義

Western Digital’s Advanced Format: The 4K Sector Transition Begins – AnandTech
http://www.anandtech.com/storage/showdoc.aspx?i=3691

AnandTechにWestern Digitalとの取材で得たAdvanced Formatアーキテクチャ関連情報が掲載されていました。

Western Digitalに限らず、他のHDDメーカーもセクタサイズを4KiB※へ移行するようですので、その意義についてAnandTechの記事を参考にちょっと調べてみました。

※今回はHDD関連ですのでkB(1kB=1000Byte)を使用すると紛らわしいのでKiB(1KiB=1024Byte)表記に統一しました。

プラッタの高密度化によるエラー発生率上昇

通常1つのセクタには1つのファイルしか格納できず、現在と比べるとファイルサイズが小さかった1990年代はこれまでのHDDが採用した512Byteセクタがバランスが良かった。

しかし、現在の記録するファイルのサイズが増大し、さらにHDDはプラッタの密度が上昇し、それに伴いプラッタ上に記録される磁気の信号に対するノイズの割合(S/N比)が減少している。

SNR

(引用:http://www.anandtech.com/storage/showdoc.aspx?i=3691)

信号なのかノイズなのかを見分けることが難しくなるため、エラーを防ぐためエラー訂正符号(ECC)を添付するが、S/N比が小さくなればなるほど長いECCが必要となってくる。そのため、現在の高密度プラッタではECCが占める割合が増えてきている。

このまま高密度化を進めていくといずれ実データとECCの量が同じなってしまい、さらに高密度記録が難しくなってしまう。

ECCの効率的な符号化

現在のHDDのECCにどのような符号が使われているのかはわかりませんが、HDDのECCはデータサイズが大きくなるほど効率が高くならしい。つまり、セクタサイズを大きくすることでECCの占める割合を減らすことができる。

※磁気記憶媒体には効率は悪いが高速処理可能な『ファイヤ符号(fire code ECC correction)』を使用していると習ったが今も使っているかは知らない… 知ってたら教えて(^^;)

hgst_eccsectorsize

(引用:WinHEC2005 HGST発表資料より)

例えば、セクタサイズが512Byteであれば40ByteのECCが必要であるとすると、8倍である4096Byteのセクタではこれが100Byteで済む。

何故に4KiB?

データサイズを長くすればするほど効率が向上するなら、4KiBと言わずもっと長くすればいいのに!と思いますが、4KiBというのもワケあり。

多くのPCで用いられているx86アーキテクチャはメモリを4KiB単位でページし記憶している。また、Windowsで用いらているNTFS、LinuxのEXT3、MacOSのHFS+のファイルシステムはいずれも現在はデフォルトでのクラスタサイズが4KiBとなっている。これらとセクタサイズを統一することでより利用効率の向上を図っているわけである。

まとめ

調べてみると、4KiBセクタへの移行準備が始まったのは1990年代後半。BIOSでの対応、OSでの対応などを経て、今年ようやくHDD側が対応。高い信頼性を保ちながら高密度化を進めていくために4KiBセクタが徐々に標準になって行きそうですね。

参考文献等(AnandTech以外)

(PDF) Sample Title Goes In This Space – IDEMA
http://www.idema.org/_smartsite/modules/local/data_file/show_file.php?cmd=download&data_file_id=1699

(PDF) Hard Disk Drive Long Data Sector White Paper – IDEMA Japan
http://www.idema.gr.jp/technical/white/6_13_07.pdf

(PDF) Advanced Format Technology – Western Digital
http://www.wdc.com/wdproducts/library/whitepapers/en/2579-771430-A00.pdf

(DOC) 4K Byte-Sector HDD-Data Format Standard
http://www.idema.org/_smartsite/modules/local/data_file/show_file.php?cmd=download&data_file_id=1259

今井秀樹(1984) 『情報理論』 昭晃堂 ISBN4-7856-1139-1

これまでのAdvanced Format Architecture関連記事

はいじん☆ちゃんねる >> 【注意!】WD10EARSは特殊な物理フォーマットを採用
http://haizin.serveblog.net/?p=5953

はいじん☆ちゃんねる >> 64MB版のCaviar Green WD15EARSが発売
http://haizin.serveblog.net/?p=6086

はいじん☆ちゃんねる >> WD10EARSの比較ベンチマーク
http://haizin.serveblog.net/?p=6092

2009/12/20 日曜日

WD10EARSの比較ベンチマーク

Advanced Format採用の新HDD「WD10EARS」を検証 – ドスパラ
http://review.dospara.co.jp/archives/51757545.html

新物理フォーマット『Advanced Format Structure』を採用したWestern DigitalのCaviar Green (EARS)シリーズの1TBモデル『WD10EARS』のベンチマークがドスパラの製品レビューに掲載されていました。

Advanced Format StructureはこれまでのHDDで使用されてきた物理フォーマットとセクタの境目が異なるため、Windows XP以前で初期化したNTFSパーティションでパフォーマンス低下が発生するとされていますが、ドスパラのベンチマークでそれを検証しています。

Windows 7にてフォーマットした場合とWindows XPでフォーマットした場合で比較してますが、確かにランダムアクセス時に違いが発生している。

ただし、他のサイトでもベンチマークを行っているのを見かけますが、ここまで差が出ているのは始めてみましたねぇ。環境によるのかも…

はいじん☆ちゃんねる >> 【注意!】WD10EARSは特殊な物理フォーマットを採用
http://haizin.serveblog.net/?p=5953

2009/12/19 土曜日

64MB版のCaviar Green WD15EARSが発売

Filed under: コンピュータ関連,ソフトウェア関連,日記,電気電子・情報関連 — ハイジんブルー @ 21:21:38

WesternDigital WD15EARSの概要 – AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20091219/ni_cwd15ears.html

Western DigitalのCaviar Greenシリーズのキャッシュ容量64MB版の1.5TBモデル『WD15EARS』が発売になったようです。

すでに1TBモデル『WD10EARS』が発売になってますが、そちらと同様で新物理フォーマット『Advanced Format Structure』を採用しており、Windows XP以前のOSではパフォーマンスが低下するため、ジャンパピンでの設定、またはWestern Digitalが公開しているユーティリティー『WD Align』を使用することが進められています。

詳しくは、以前書いた下記記事を参照してください。

はいじん☆ちゃんねる >> 【注意!】WD10EARSは特殊な物理フォーマットを採用
http://haizin.serveblog.net/?p=5953

1TB、1.5TBモデルが出ましたので残るはSATA 6Gbps対応騒動があった2TBモデル『WD20EARS』ですね。

2009/12/12 土曜日

【注意!】WD10EARSは特殊な物理フォーマットを採用

キャッシュ64MBの安価な1TB HDDがWesternDigitalから登場 – ASCII.jp
http://ascii.jp/elem/000/000/482/482337/

Western DigitalからCaviar Greenシリーズの新モデル『WD10EARS』が発売開始されたようです。

これまでの『WD10EADS』との違いはキャッシュ容量が倍の64MBになったこと。回転数が可変(公称)であることなどは共通。

ひっそりと採用された新物理フォーマット

あまり知られていないようですが、実はこのWD10EARSから物理レベルでのフォーマットが変更になっているそうです。新たに採用されているのは『Advanced Format Structure』。

現在の販売されているHDDでは512byte単位でデータを分割し、前後にECC・CRCなどのエラー訂正符号、同期用のセクタ間ギャップ、ヘッド位置制御用のサーボフィールドを加えて一つのセクタとして記録している。

WD10EARS-layout

(画像引用元)http://www.pcper.com/comments.php?nid=8113

『Advanced Format Structure』ではデータの分割単位を4096byteに。これに伴い、エラー訂正符号『ECC』の符号長は長くなったが、そのほかの符号長は変わらないため、同じだけのデータを記録しようとすると10%ほど記憶領域が節約できるとか。

また、節約した記憶領域の一部をECCに割り当てることでエラー回復率を50%改善しているとのこと。

2TBの壁

『2TBの壁』に悩まされている方なら「セクタ数が少なくてすむ!」ということに反応するかもしれませんが、残念ながら『Advanced Format Structure』は物理レベルのフォーマット(実際にディスク表面に書き込まれている内容)にのみ適用されていて、論理レベルではこれまでのHDDと同様になっているため、『2TBの壁』はそのまま存在していることになる。

Window XP以前での使用は注意!

むしろWindows XP以前で使用する際には注意が必要なようです。

WD10EARS-offset

(画像引用元)http://www.pcper.com/comments.php?nid=8113

Windows XP以前でパーティションを作成すると63セクタ目(63*512byte)から8セクタを1つクラスタとしてデータが書き込まれる。ところが、4096byte(8*512byte)おきにデータを分割する『Advanced Format Structure』では物理レベルでのデータ分割と論理レベルでのデータ分割にオフセットが生じてしまう。

Windows Vista以降ではこれが改善されて2048セクタ目から開始されるようになったようですが、Windows XP以前ではこれの影響で性能が発揮できないことがあるようです。

この対策としてEARSシリーズには専用のジャンパー端子(7-8番ピン)が搭載されていて、この端子間をショートさせることでHDDのファームウェアを書き換えてセクタ位置を論理的に1つずつずらしてくれるようです。(見かけ上64セクタ目が63セクタになる)

ただし、注意が必要なのが、このジャンパピンの設定は論理フォーマット前に行う必要があること。論理フォーマット後で設定を変更するとデータが読み出せなくなるようです!EARSシリーズのラベルに注意書きがあるようなので取り付け前に確認したほうがよさそうです!

参考文献

発売になった情報はあれども、日本語での『Advanced Format Structure』関連情報を全然見かけないので書いてみました。参考にした情報源は以下のページですので、そちらも参照してください!

(ホワイトペーパー PDF)Advanced Format Technology – Western Digital
http://www.wdc.com/wdproducts/library/whitepapers/en/2579-771430-A00.pdf

Western Digital introduces ‘Advanced Format’ – PC Perspective
http://www.pcper.com/comments.php?nid=8113

追記:2009/12/13 17:20

AKIBA PC Hotline!にも情報が掲載されました。

Windows XPでは再設定が必要な1TB HDDが発売 – AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20091212/etc_wd.html

追記:2009/12/15 22:41

伝道師日記さんが比較してました。それほど影響は無いのかなぁ?

【WD10EARS】Windows7とXPでの差はあったのか・・・・ – 伝道師日記
http://ameblo.jp/dendoshi/entry-10410371516.html

追記:2009/12/20 21:16

ドスパラの製品レビューにWindows XPとWindows 7の比較あり。ここまで差が出ている結果は初見。

はいじん☆ちゃんねる >> WD10EARSの比較ベンチマーク
http://haizin.serveblog.net/?p=6092

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